第1節 第一次世界大戦の時代
歴史の名場面
○ アメリカ艦隊の日本訪問

1908(明治41)年3月、
16隻の戦艦からなるアメリカの大西洋艦隊が、
世界一周の途上、日本へ向かって進んできた。

当時、日本が保有する戦艦は7隻だったから、これは大艦隊だった。

セオドア・ルーズベルト大統領は、みずから建設した艦隊の威容を世界に誇示しようとした。
船団は白いペンキで塗られていたので、
半世紀前の黒船と対比して、白船とよばれた。
日本政府は、国をあげて艦隊を歓迎することとした。

ルーズベルトはアメリカの印象をよくしようとして、
「品行方正な水兵以外は船の外に出すな」と指示した。

横浜入港の日、日本人群集は小旗を振って万歳を連呼し、アメリカ海軍将校たちはパーティー攻めにあった。
彼らを乗せた列車が駅に着くと、千人の小学生がアメリカ国歌「星条旗」を歌った。